Markdownエディタ7種を用途別に比較。VS Code、Obsidian、Typora、Dillinger、StackEdit、Moraya、Yomuを開発・知識管理・執筆・ブラウザ利用・媒体変換で選び分けます。
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Markdownエディタは、機能数が多いものを選べばよいわけではありません。VS Code、Obsidian、Typora、ブラウザ型エディタは、同じMarkdownを扱えても設計目的がかなり違います。
この記事では2026年9月25日時点の公式情報を確認し、開発、知識管理、集中執筆、ブラウザ利用、クラウド連携、local-first、AI原稿の媒体変換という用途で比較します。価格やクラウド機能は変更される可能性があるため、購入・契約前には各公式サイトも確認してください。
結論:目的が決まれば候補はかなり絞れる
| 主な用途 | 第一候補 | 現時点の料金・形態 | 主な弱点・注意点 |
|---|---|---|---|
| コードとREADMEを一緒に管理 | VS Code | 無料。Desktop / Web | Web版はターミナル・デバッグ・一部拡張に制限 |
| Markdownを知識として蓄積 | Obsidian | 本体無料。Syncは年払い$4/月、Publishは年払い$8/月から | 媒体別変換を主目的にした製品ではない |
| PCで執筆へ集中 | Typora | 15日試用、$14.99税別の買い切り | インストールが必要 |
| ブラウザ編集+クラウド連携 | Dillinger | 無料・登録不要 | PDF出力は現在サーバーレンダリングと表示 |
| オープンソースのブラウザ編集 | StackEdit | 無料 | Google Drive認証Issue #1865がOpenのため連携は事前確認 |
| local-first+AI統合 | Moraya | 基本無料・登録不要。同期等は有料 | AI利用時は選んだAIプロバイダーへ送信 |
| AI原稿を日本の媒体へ展開 | Yomu | ブラウザ型 | Git管理・知識管理・クラウド同期の代替ではない |
全員にとって一番のMarkdownエディタはありません。
開発中のREADMEならVS Codeを使い続けるのが自然です。大量のノートを育てるならObsidian、PCで長文を書く時間が長いならTypora、クラウドストレージとブラウザ編集をつなぎたいならDillingerが候補になります。
Yomuはこれらを置き換えるのではなく、ChatGPTやClaudeで作ったMarkdownをnote、WordPress、はてなブログ、Wordなどへ持っていく原稿の出口を重視しています。
比較するときは「Markdownの前後」を見る
Markdownエディタの比較でありがちなのが、プレビュー、表、数式、テーマといった機能だけを横並びにする方法です。
しかし、実際の作業時間を左右するのは、そのMarkdownがどこから来て、どこへ行くかです。
コードと一緒に管理するのか。知識として蓄積するのか。文章を書くこと自体へ集中するのか。AIで作った原稿を別媒体へ移すのか。この違いを先に決めると、候補を比較しやすくなります。
比較条件をそろえる:実際の利用フローを確認する
この記事にはoka-project自身が提供するYomuを含みます。 Yomuの運営者による比較であることを前提に、仕様から確認できたことと、未実測の使用感を分けて記載します。
機能の有無だけでは選びにくいため、最終的には以下の同一Markdownを各候補で扱って判断します。
# サンプル原稿
## 手順
- 箇条書き
- **強調**
| 項目 | 値 |
| --- | --- |
| A | 10 |
[参考](https://example.com/)
| 比較したいこと | 確認方法 | 読者が見るべき結果 |
|---|---|---|
| 原本管理 | .md形式で保存し再度開く | 独自形式へ閉じ込められないか |
| 入力と表示 | 見出し・表・リンクを表示 | 原文と表示の切り替えに支障がないか |
| 出口 | 自分が使う公開先へ出力 | 見出し・表・リンクが残るか |
| プライバシー | 公式仕様と通信・保存条件を見る | アカウント・クラウド同期が必要か |
| 継続コスト | 無料範囲・有料条件・更新時点 | 必要な機能だけを継続利用できるか |
この表は検証手順であり、7製品の同一条件ベンチマークを実施済みという主張ではありません。 各製品の仕様と実際の出力結果は、確認できた範囲で区別して評価します。
7つのMarkdownエディタを用途別に見る
VS Code:開発とMarkdownを同じ環境で扱うなら強い
Visual Studio CodeはMarkdownを標準サポートしており、.mdファイルの編集、アウトライン、プレビュー、エディタとプレビューのスクロール同期などを利用できます。現在の組み込みプレビューはMermaidのレンダリングにも対応しています。
Visual Studio Code: Markdown and Visual Studio Code
また、vscode.devでは無料・ゼロインストールのVS Code for the Webを利用できます。ローカルファイルやGitHubリポジトリをブラウザから扱えるため、「VS Codeはデスクトップ専用」と考える必要もありません。
ただしWeb版はデスクトップ版と同じではありません。公式ドキュメントでは、ターミナルとデバッガーが使えず、ブラウザで動作できる拡張機能も一部に限られると説明されています。
VS Codeを選ぶべきケース
README、技術文書、コードを同じリポジトリで管理し、Gitで差分を見るならVS Codeが最も自然です。すでに開発環境として使っている人が、Markdownのためだけに別アプリへ移る理由は大きくありません。
一方、noteやWordPressへの変換を毎回行う場合は、その「公開工程」は別に考える必要があります。
Obsidian:Markdownを長期的な知識ベースにするなら強い
ObsidianはローカルのMarkdownファイルをVaultとして扱い、内部リンク、バックリンク、検索、プラグインなどを使って知識を蓄積する用途に強いアプリです。
2026年9月25日時点の公式料金・ライセンスページでは、Obsidian本体はサインアップ不要で無料です。個人・商用・非営利を含む用途で無料利用でき、商用ライセンスは開発支援のための任意購入と案内されています。
端末間同期のObsidian Syncと、Web公開のObsidian Publishは任意の有料サービスです。2026年9月25日時点では、Syncは年払いで1ユーザー月4ドル(月払い5ドル)、Publishは年払いで1サイト月8ドル(月払い10ドル)と案内されています。
Obsidianを選ぶべきケース
記事を書いて公開したら終わりではなく、調査メモ、アイデア、資料を何年も残し、ノート同士をつなげたい場合に向きます。
逆に、Markdownをnote・WordPress・Wordへ変換する作業だけが目的なら、Obsidianの中心的な価値とは少しずれます。
Typora:PCでMarkdownを書くこと自体に集中したい人向け
Typoraは、Markdownソースと別プレビューを行き来するのではなく、編集中の画面上で文章を読みやすく表示する執筆体験を特徴とするデスクトップMarkdownエディタです。
2026年9月25日時点の公式ストアでは、15日間の無料試用があり、ライセンスは税別14.99ドルの買い切りです。1ユーザーにつき最大3台まで同時に有効化できます。
Windows、macOS、Linuxに対応し、公式サイトではPDFやWordなどへの書き出しも案内されています。
Typoraを選ぶべきケース
ローカルの.mdファイルを日常的に書き、余計なUIを減らして長文執筆へ集中したいなら有力です。
そのため、「WordやPDFへ出力できる」という一点だけでYomuを選ぶ必要はありません。デスクトップでMarkdownを書く体験そのものを優先するならTyporaの方が適する場合があります。
Dillinger:ブラウザ編集とクラウド接続を重視するなら候補
Dillingerは無料・登録不要のブラウザMarkdownエディタです。現在の公式機能ページでは、Monaco Editor、ライブプレビュー、GitHub・Dropbox・Google Drive・OneDrive・Bitbucketとの接続、Markdown・HTML・PDF出力などを案内しています。
通常の文書はブラウザへ自動保存され、サービス側サーバーへ文書を保存しないと説明されています。クラウド連携を有効にした場合は、当然ながら接続先サービスとの通信が発生します。
ここで注意したいのは、「通常の原稿がブラウザ保存」と「すべての出力処理もブラウザ内」は同じ主張ではないことです。
2026年9月25日時点の公式Featuresページは、文書がブラウザへ自動保存されることと、Markdown・HTML・PDFへ出力できることは案内していますが、PDF生成の処理場所までは同ページ上で明示していません。
そのためこの記事では、PDF出力までローカル処理だとは断定しません。未公開原稿で変換機能まで使う場合は、Networkタブ等で実際の通信を確認するのが安全です。
Dillingerを選ぶべきケース
インストールせず、GitHubや主要クラウドストレージと直接つなぎたい場合に向きます。媒体別変換より、ブラウザとクラウドの接続を重視するならYomuより目的に近いことがあります。
StackEdit:機能表より現在の連携状態を確認したい
StackEditはオープンソースのブラウザMarkdownエディタで、GitHubリポジトリ上ではGoogle Drive、Dropbox、GitHub、WordPressなどとの連携機能が説明されています。
一方、Google Driveログイン時にGoogle側からアプリがブロックされるというIssue #1865は、2026年9月25日時点でもOpenです。
そのため、StackEditをクラウド連携目的で選ぶ場合は、「機能として実装されているか」だけでなく、自分が使う連携先で現在も認証・保存できるかを実際に確認する必要があります。
StackEdit自体を否定する理由ではありませんが、比較記事では仕様の存在と現在の利用可能性を分けて扱う方が安全です。
Moraya:local-firstとAIを同じ編集環境で使うなら有力
MorayaはMarkdownとTypstを扱えるブラウザ/デスクトップエディタで、登録不要・local-firstを明確に打ち出しています。
公式ページでは、デスクトップ版は選んだフォルダーへ通常のMarkdown / Typstファイルを保存し、Web版はブラウザのローカルストレージへ保存すると説明しています。基本の編集機能は無料・登録不要で、端末間同期や自前クラウドストレージなどのクラウド機能はアカウントと有料プランが必要です。
AI機能は自分のAPIキーを使い、選択したOpenAI、Claude、Geminiなどのプロバイダーへ端末から直接送る方式です。Moraya自身が中継しない点は特徴ですが、AI機能を使えば文章は選んだAIプロバイダーへ送信されることは分けて考える必要があります。
また、Morayaの公式説明ではデスクトップ版にはアナリティクスを含まない一方、Web版とWebサイトでは集計用Google Analyticsを利用すると明記されています。文書内容を計測するものではないと説明されていますが、「local-first」と「ネットワーク通信が完全にゼロ」は同義ではありません。
Morayaを選ぶべきケース
ローカル中心のMarkdown編集と、BYOK方式のAI、Typst、ブラウザ/デスクトップの両方を一つの環境で扱いたい場合に向きます。
この領域では、YomuよりMorayaの方が広い編集環境を提供しています。
Yomu:AI原稿の「公開・提出工程」を短くしたい人向け
Yomuは、Git管理、知識ベース、デスクトップ執筆、AI統合のすべてを置き換えることを目的にしていません。
重視しているのは、ChatGPTやClaudeで作ったMarkdown原稿を編集し、その後の公開先・提出先へ持っていく工程です。
ChatGPT / Claude
↓
Markdown原稿
↓
Yomu
↓
note / WordPress / はてな / Word / PDF / HTML
Yomuを選ぶべきケース
AIで原稿を作ることが多く、同じ文章をnote、WordPress、はてなブログ、Wordなど複数の形式へ展開したい場合です。インストールせずブラウザで編集・変換したい場合にも合います。
一方、Gitとコードの管理ならVS Code、長期的な知識管理ならObsidian、デスクトップ執筆ならTypora、クラウド同期ならDillinger、local-first+AI統合ならMorayaの方が自然な場面があります。
この境界を明示した上で、公開先ごとの手直しを減らすことが主目的ならYomuという位置付けです。
AIで文章を書くなら「AI搭載」だけで選ばない
ChatGPTやClaudeをすでに使っている場合、MarkdownエディタにもAIが内蔵されているかどうかは一つの比較軸にすぎません。
重要なのは、AIが作った文章をその後どう扱うかです。
GitHubへ置くならVS Code、知識として残すならObsidian、ローカルで長文推敲するならTypora、AIと編集を一体化するならMoraya、公開先を横断するならYomuというように、原稿の出口から逆算する方が選びやすくなります。
ブラウザ型では「保存」と「変換」の処理場所を分ける
ブラウザ型エディタを比較するとき、単に「ローカル保存」と書かれているかだけでは十分ではありません。
Dillingerのように通常文書はブラウザ保存でも、特定の出力処理はサーバー側というケースがあります。Morayaのように文書はローカルでも、AI機能を使えば指定したAIプロバイダーへ文章を送るケースもあります。
したがって未公開記事や業務原稿では、通常編集、クラウド同期、画像取得、AI、PDF/DOCX等の変換を機能ごとに確認することが重要です。
処理場所を自分で確認する方法は、オンラインMarkdownエディタは安全?でNetworkタブとCSPまで含めて整理しています。
よくある質問
無料で使えるMarkdownエディタは?
2026年9月25日時点の公式情報では、VS CodeとDillingerは無料、Obsidianは本体無料でSync/Publishが任意有料、Morayaは基本無料で同期等が有料です。Typoraは15日試用のあと税別14.99ドルの買い切りです。価格は変更される可能性があるため、契約前に各公式サイトも確認してください。
VS Codeはインストールしないと使えない?
vscode.dev で無料・ゼロインストールのVS Code for the Webを利用できます。ただしWeb版はターミナルとデバッガーが使えず、動作できる拡張機能も一部に限られます。
Dillingerは「ブラウザ保存」なら変換もすべてローカル?
そうとは限りません。2026年9月25日時点の公式Featuresページは通常文書のブラウザ保存とPDF出力を案内していますが、PDF生成の処理場所までは明示していません。機密性が重要なら「ブラウザ保存」という説明だけで判断せず、実際の変換時の通信を確認してください。
AIで文章を書くならAI搭載のエディタを選ぶべき?
AI内蔵かどうかは一つの比較軸にすぎません。重要なのはAIが作った文章をその後どう扱うかで、GitHubへ置くならVS Code、知識として残すならObsidian、公開先を横断するならYomuのように原稿の出口から逆算する方が選びやすくなります。
最終判断:作業フロー別のおすすめ
開発プロジェクトのMarkdownならVS Code、長期的な知識管理ならObsidian、PCでの集中執筆ならTyporaがまず候補です。
ブラウザ上でクラウドストレージとつなぐならDillinger、オープンソースのブラウザ環境ならStackEdit、local-firstとAIを一つの環境で扱うならMorayaが候補です。
そして、ChatGPTやClaudeで原稿を作り、note・WordPress・はてなブログ・Wordなどへ同じ原稿を展開する作業が多い場合はYomuが候補になります。
機能表で一位を決めるのではなく、Markdownを書く前と書いた後の作業を最も減らせるツールを選ぶのが、この比較での結論です。